バルトーク弦楽四重奏団 公開レッスン

 1981年=ルンデ開館の年、二夜にわたる12月例会でバルトークの6曲の弦楽四重奏曲全曲演奏会を持ち、その後来日の度にルンデを訪れてもう23年の歳月が流れました。この間10度の来演、総計21ステージの演奏会と、1987年から始まった10回の室内楽公開レッスンで、名古屋=ルンデとの深い結びつきが確立しました。
 素晴らしい演奏会は勿論ですが、またその公開レッスンはまさに『音楽誕生』の瞬間に立ち会う希有の機会と言えます。一般音楽愛好家の聴講が多いのも特徴で、彼等の音楽に向き合う真摯な態度と情熱、そして音楽を志す後輩達へ注がれる深い愛情には、自ら楽器を手にするか否かを問わず凡そ音楽に関心を抱く者は、いつも畏敬の念と無上の親近感を抱かせられるのです。
 以下は、聴講生(聴衆)・受講生の飾らぬ感想の一端と、指導を受けたグループが他日その成果を基にして開いたコンサートの記録です。
◎バルトーク弦楽四重奏団 第11回室内楽公開レッスン:2003年10月25日(土)15時
 受講グループ決定
ミューズ・トリオ:山口美夕鶴(vn)/平山智子(vc)/鳥井栄比子(pf)
 ブラームス:ピアノ三重奏曲 第1番 ロ長調(第1、2楽章)
●ユジュモリ・クヮルテット:神谷友梨子、加藤純子(vn)/福井 萌(va)/原永里子(vc)
 ハイドン:弦楽四重奏曲 op.76 No.3「皇帝」(第1、3楽章)
プリンセス・カルテット:神谷純子、柴田亜里(vn)/松尾葉子(va)/白井千生(vc)
 シューベルト:弦楽四重奏曲 第14番 ニ短調「死と乙女」D.810
このえ弦楽四重奏団:上田浩之、大西秀朋(vn)/竹内賢司(va)/上野達弘(vc)
 バルトーク:弦楽四重奏曲 第6番 

 
《1995/5/22》
○とてもよかった。バルトーク・クヮルテットのメンバーの方々が、皆、熱心で、的確なアドヴァイスをなさっていたと思います。結局は、レガートについてのお話などは、弦楽だけでなくなんの楽器にも言えることなので、ピアノ専攻の私にもとても参考になりました。ふだんクヮルテットにあまり接することがないので、とても新鮮でした。
 ステキな曲が、バルトーク・クヮルテットの方々にアドヴァイスを受け、もっともっとステキな曲になっていくのがよかった。ドビュッシーが、私には特に気に入りました。
 またこういう機会があったら聞きに来たいです。今回は、都合がつかなくてコンサートには行けませんが、是非、また来日する時には聞きにいきたいです。
 ルンデのみなさんの対応も温かくて、親切でよかったです。【四日市市:H. M. 】
○とてもおもしろく勉強になりました。本当にいい方ばかりで、おまけにどの曲でもすばらしく素敵に弾いて下さり、びっくりしました。
 私はピアノ科ですが、ヴァイオリンもピアノも同じだと思いました。本当に来てよかったです。
 明日も聴きに行きたいのですが用事があり、行けなくて残念!!また是非、来てほしいです。
 (ルンデが)とてもよいホールだということはうわさにきいていましたが、本当に全ての面?!(いろいろな面)で、すばらしいホールだと思います。企画もおもしろいのばかりで、うれしいです。【長久手町:W. T. 】
○一度公開レッスンを見たことがあり、とてもおもしろかったので今日も楽しみに来ました。先生方から出てくる音色が人間の感情そのもので、神様にささげるかのようで心が洗われました。
 ルンデにはニコライエワやピリスの時にもきたことがありとてもいい印象をもっています。【桑名市:M. O. 】
※4組が受講。1組60分の予定は「有って無し」。もうバルトーク弦楽四重奏団の面々の熱心さとスタミナに完全に脱帽。そして、言うより実際とばかり模範演奏を見せたり、参加不可能になった第2ヴァイオリン・パートにはハルギタイさんが気軽に代理を務めてくれるなど、受講者も聴衆も大喜びと感激と…… スゴク幸せな5時間余でした。


受講者による“成果発表”コンサート

第23回Xコンサート (95.11.18)
『バルトークSQから獲たもの』

  (写真 左から)
 アカデミー・クァルテット
 ヴィオール・ストリング・クァルテット
 オプチューン弦楽四重奏団
 このえ弦楽四重奏団
(賛助出演 *

★同年5月にスタジオ・ルンデの主催で行われた、ハンガリーの至宝、バルトーク弦楽四重奏団による『室内楽公開レッスン』(第5回)を受講したグループに、更に各自が音楽を練り上げた『レッスンの成果』を披露する機会をルンデが提供しようという主旨で企画した、室内楽のジョイントコンサート。この年が初めての試みであったが、全4グループが非常に意欲的に出演を希望した。当日は期待通り、呼び返しの拍手が止まない程の熱のこもった『成果』を披露してくれた。
*写真の「このえ弦楽四重奏団」はレッスン当日のもの。第2ヴァイオリンが勤務の都合で参加できなかったので、バルトークQのハルギタイ氏が代役を務めてくれた。演奏会は弦楽三重奏での出演)


《1997/5/25》
○どのグループも上手で、演奏会のようでした。
 チャイコフスキーはやはり前夜の演奏を聞いているので、別の曲のようでした。あるグループは曲がむずかしいので、演奏はもうひとつでしたが、逆に講師の先生の言われることがよくわかり勉強になりました。【東海市:T. O. 】
○なかなか厳しいコメントがありましたね(モーツァルトの15番をやる前にもっと腕と相談して易しい曲からやったら? みたいなこと等)。弓のアップ、ダウン等初めて知ったこともあり、参考になりました。なる程、一緒にひくバルトークと弓の動きの一致しないときがありました。
 カタリーナQのスメタナ“わが生涯より”、なかなかの出来でした。しかし少し自己表現がなさすぎるように思いました。【緑区:K. I. 】
○弦楽四重奏がこれ程面白い世界だとは……。(BARTOKの方々のユーモアも無類の面白さですが)世界レベルの演奏者というものは、ここまで曲を深く掘り下げて演奏しているとは思いませんでした。スコア片手に聞きたかったです。【熱田区:D. H. 】

受講者による“成果発表”コンサート

第32回Xコンサート (97.11.23)
『バルトークSQから獲たもの2−a』

エスメラルダ弦楽四重奏団
このえ弦楽四重奏団

★一昨年、バルトーク弦楽四重奏団による室内楽公開レッスンの受講者が集まっての演奏会が大好評を博した企画(第23回)の2シリーズ目。この年は6グループが受講し、又、全グループが出演を希望したため2日公演となった。第1日は先回にも受講・出演した2グループ、愛知県芸出身『エスメラルダ弦楽四重奏団』、京都大学オケ仲間によるグループ『このえ弦楽四重奏団』のジョイント。2グループだったため、受講曲のほかにそれぞれ1曲づつ追加したプログラム。アンコールにはダブル・クヮルテットによるモーツァルトを演奏、これも大喝采であった。

第33回Xコンサート (97.11.29) 『バルトークSQから獲たもの2−b』

ピョートル・クァルテット いっち弦楽四重奏団 メロマン・トリオ カタリーナ弦楽四重奏団
★第2日は4グループによるジョイント。愛知県芸生による若手、“売り出し中”クヮルテットに、名大オケ仲間によるグループ、愛知県芸生による若手トリオというバラエティ豊かなコンサートとなった。『一曲入魂』の演奏にはやはり呼び返しの拍手が鳴り止まなかった。


《1999/11/6》
○非常に良かった。音楽を作るプロセスが良く分かった。【岡崎市:I. N. 】
○午後2時から始まった公開レッスンはグループごとの持ち時間をはるかに越えていました。何十小節もある四重奏曲の一音一音ごと、1フレーズごと、ボーイングの仕方から音の強弱までていねいな指導がされていました。フォルテとピアノの差はほとんどないが、ピアノとピアニシモも差はかなりあるということを認識するように、スタカートは「切る」というふうに解釈しているのではないか、4分音符の長さをしっかり、ビブラートのかけかたはその曲の作られた時代背景も考えるように、等々、たちまち同じ曲が「生きて」いきます。
 長時間疲れも感じさせずレッスンをされたバルトーク弦楽四重奏団の皆さんと、ていねいな通訳をして下さった伊藤直美先生には頭がさがります。各グループの若い皆さんと同じように指導をしていただいた気持ちで有意義で楽しい5時間余りを過ごさせていただいた事、心から感謝して帰りました。【宝塚市:K. Y. 】
○弦楽四重奏の名曲の1楽章(以上)が若々しい演奏、指導を受けた後の改良演奏が聴けた上に、「演奏者の裏舞台」とも言うべきレッスン風景が楽しめ、5時間半、堪能しました。バルトーク・ボーイズは本当に精力的で、指導熱心です! 思わず「四重奏団の指揮者(?)」のようになって手が出、身体が動き、終始一緒に歌いながらの指導、というところが特に面白かったです。ただ、指導を受ける人は、概ね「おとなしく」、あまり自己主張しないのが目立ちました。相手が大家でも、もっと「自分達はこう解釈して、こう演奏しました」と言っても良いように、年寄りの私などは思いますが。いずれにせよ、また、成果発表が楽しみです。【緑区:K. I. 】

○すばらしい公開レッスンとコンサートを聴かせて戴き、有難うございました。特にレッスンでは、私が如何に何も知らずに音楽を聴いていたかを教えられ、恥じ入ると共に、目から鱗が落ちること度々で、感動いたしました。
 それにしても、名古屋で音楽を学んでいる人は何千人もいる筈なのに、さっぱり聴きに来られないのは、一体どうなっているのだろうかと思いました。【豊橋市:Y. I. 】

受講者による“成果発表”コンサート
第48回Xコンサート (2000/5/7) 『バルトークSQから獲たもの3』
azalea icchi konoe levitan
 1981年以来、来日の度にルンデで素晴らしい演奏を披露してくれているバルトーク弦楽四重奏団が、三度目の来演1987年からは、室内楽公開レッスンを始めました。そして1995年からは、その受講グループが集まって勉強の成果を発表する『バルトーク・クヮルテットから獲たもの』という画期的なシリーズが始まりました。
 
 今回出演したのは、昨年(1999年)11月の公開レッスンを受講したうちの4グループです(写真、上から)。当日の模様に関するサイトもあります。

アザレア四重奏団
(廣瀬加奈子、清水里佳子、竹内賢司、岡部 玲)
ドヴォルザーク:弦楽四重奏曲 第10番 変ホ長調 作品51

いっち弦楽四重奏団
(市岡亮嗣、兼広友里恵、高橋 淳、桜井香恵)
ハイドン:弦楽四重奏曲 ハ長調 『皇帝』 作品76−3

このえ弦楽四重奏団
(上田浩之、飯田直子、竹内賢司、上野達弘)
バルトーク:弦楽四重奏曲 第2番 作品17

レヴィタン・クヮルテット
(藤川 幸、野平容子、内山隆達、佐藤祐一)
ショスタコーヴィッチ:弦楽四重奏曲 第8番 作品110


《2001/5/26》
○公開レッスンは演奏家のコンサートとは又違った味わいがあります。もう十年程も前に聴かせていただいてからやみつきになり、余程の差し障りがない限りスコア持参で伺っています。ブラームス、メンデルスゾーン、モーツァルト、ベートーヴェン、そしてショスタコーヴィチと年を重ねるごとの内容もレベルアップし、特に「このえ」さんはプロ転向か(?!)と思うほどの腕の確かさでしたが、それでもバルトーク四重奏団の手に掛かるとますます音が生きてきます。メゾー・ラースロさんは自分のチェロを持って舞台の右手に腰かけ、ボーイング、音の出し方等、熱心にかつ丁寧に指導され、お年(?)を感じさせない盛り上がりでした。的確な判断と指導のことばにプロの凄さを改めて知った日でした。【宝塚市:K. Y. 】
○すごく勉強になった。今まで中途半端に理解してた部分もいろいろ教えていただき面白かったです。【長久手町:徳本有美子】
○Tempo が新鮮でした。ボーイング、指番号、そして音楽の作り方を含め、とても勉強になりました。時間が経つのがすごくはやかったです。またぜひ(レッスンを)受けさせてください。
【昭和区:Y. M. 】
○弾かせていただいた立場からの感想は、とっても音が響きやすくとても演奏していて気持ちが良かったです。また機会があればこの舞台で弾いてみたいと思いました。
 バルトークカルテットの方々はとても活気があり、レッスンをしてもらっていても見ていてもひきこまれました。【守山区:Y. M. 】
○楽しみにしていました! ライブとしてとにかく面白かったです。楽譜、記号の読み方、表情のつけ方等、バルトークSQの助言は聴衆の私にも役に立つものでした。本当に音楽が好きで、指導熱心なバルトークです。「30年間あなたと同じ弾き方をしてきたが、今はそうでない方が良いと思います」というコムローシュさんの発言など、音楽家としての誠実さを感じました。受講者も、もう何回目かのグループもあり、全体にレベルが上がり、助言の多くにすぐ対応できることにたのもしさを感じました。(個人的にはトップ出場で頑張ったリエQも好きでしたし、けっこう皆うまいラコントンQも今後楽しみです。このえSQには「SQとしての大人の風格」を感じました)「成果発表会」に大いに期待をもたせる公開レッスンでした。【緑区:K. I. 】
○色々な方向から曲を見ることができて本当に楽しかったです。みなさんの音色もとても素晴らしくて、勉強をもっとしようという気満々です。ありがとうございました。【長久手町:M. U. 】
○とても勉強になりました。他のカルテットがどう変化していくの客観的に見ることができました。【長久手町:Y. K. 】
○長丁場だったけれどテンションが下がらないで、そのパワフルさに圧倒された。(ルンデは)普段余計な力を入れないと鳴らないのに驚くほど空間に音を放ちやすかった。【長久手町:U. S. 】
○普段練習を積み重ねてきたけれど、その中でも気づかないことや新しい発見がたくさんあって勉強になりました。とても良い機会を与えていただいたと思います。【千種区:C. H. 】
○すごく緊張したけどすごく楽しかった。今まで自分が考えていたこととは違う方向から言ってくれたのでとても参考になった。
【各務原市:M. H. 】
○カルテットは大好きなので楽しかったです。教える立場なので参考になります。参考にしたいと考えまして、上等な演奏家達と場が共有できて幸せな気分です。バルトークの方々の背中が動くのが拝見できて良かったです。
 なんて優しい指導の仕方なんでしょう。否定の言葉がありませんでした。ありがとうございました。【恵那市:K. I. 】

受講者による“成果発表”コンサート
第54回Xコンサート (2002/1/12) 『バルトークSQから獲たもの 4』
◎スタジオ・ルンデで行われた『バルトーク弦楽四重奏団 室内楽公開レッスン』を受講したグループが一堂に会し、研鑽の成果を発表するコンサート。今回は2001年5月26日に受講した内の4組が出演。
いっちいっち弦楽四重奏団
 【市岡亮嗣 vn/西願寺友里恵 vn/高橋 淳 va/櫻井香恵 vc】

ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 第4番 ハ短調

◎1993年名古屋大学交響楽団団員を中心に結成。街の小イヴェントなどに出演し活動を開始。95年京都にてアマデウス弦楽四重奏団の公開レッスンに参加。96年岐阜、名古屋(ルンデ)にてリサイタル。2000年2月に東京カザルスホールのアマチュア室内楽フェスティヴァル、2001年7月にしらかわホールのアマチュア室内楽フェスティヴァルにそれぞれ出演。また98年6月よりコンスタンツェ・ハウス(各務原市)のレジデント・クヮルテットとして同ホール主催の演奏会に出演。ルンデの企画するコンサートには過去『バルトークより獲たもの』、『室内楽シリーズ』に出演し、今回4度目となる。


このえこのえ弦楽四重奏団
 【上田浩之 vn/大西秀朋 vn/竹内賢司 va/上野達弘 vc】

ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲 第3番 ヘ長調

◎1992年京都大学の学生・聴講生により結成、同年12月京都のバロックザールで初演奏会を開き、以来関西を中心に活動している。1999〜2001年、しらかわホールアマチュア室内楽フェスティヴァルに出演、いずれも優秀賞を受賞している。ルンデの企画する『バルトークより獲たもの』コンサートには、今回で4度目の出演となる。
 クヮルテット「WA」
wa
平光真彌 vn/水越ゆかり vn/新谷 歌 va/徳本有美子 vc
メンデルスゾーン:弦楽四重奏曲 第6番 へ短調
 リエ・クヮルテットリエ
鈴木理恵 vn/早川さくら vn/猿渡友美恵 va/藤塚紗也香 vc
ブラームス:弦楽四重奏曲 第1番 ハ短調
◎リエ・クヮルテットは2000年春、クヮルテット“WA”は2001年2月に、それぞれ愛知県立芸術大学学生により結成された。同大学で室内楽を天野武子女史に師事している。

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